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子供な母上

投稿日:2016年5月12日 更新日:

足の手術で入院を境に私の母上は認知症を患い始めた。

最初はちょっとした勘違いや物忘れが増える程度。

そのうちまともな会話、言葉のキャッチボールができなくなった。

認知症だとはわかっていても、突拍子もない言葉を放つ我が母上に、つい首をかしげてしまった私たち。

黒いものが白だと主張されるときは「本当だ、白いね」と否定をせずに話を合わしてあげる。

それがいろんな意味でストレスを溜めないコツ。

そう、あれからもう8年ほどになるでしょうか。

今では私のことはおろか、自分がだれであるかさえわかっておりません。

でも心は純真な子ども時代を行き来しておられるようです。

過去に一度だけ俳諧されたことがあります。

そのころはまだ手押し車でなんとか歩ける状態でした。

しかし玄関の段差をどうやって手押し車を下したのか、これが世にいう「火事場の馬鹿力」とでもいうのでしょうか。

そこまでして自分の親元へ帰らなければと一生懸命だったようです。

そんな母上、最近では体調もあまり思わしくありません。

昔から辛抱強い人で「ココが痛い」とか「しんどい」とかは今でも言葉に出しません。

というか今となってはそれを訴える方法がわからないのかもしれません。

そんな母上、せめて毎日笑顔でいられるようにと、笑いのツボを探しつつ介護に励んでます。

笑顔で付き合えば笑顔で答えてくれます。

チンプンカンプンなこと言ってても、やはり笑顔の母上を診ていると気持ちがホッとします。

そんなこんなで今日、仕事上で誠に理不尽な思いを強いられた私はその気持ちを家に持って帰ってしまいました。

家族には悟られぬようにその気持ちを抑えつつ、いつものように母上に楽しく接しているつもりでした。

就寝前の日課のおトイレ。

洋式トイレの便座に母上を座らせ、一応レディですからドアを閉めてトイレ前でしばらく待ちます。

いつもならその間にも「うん○しいやぁ」「おしっこしいやぁ」「もう終わったかぁ~?」と声をかけます。

するといつも「ネコ死んだ?」「※○▽~買うてきて」と、例のごとく突拍子もない会話になって苦笑い。

それが日常。

でも今日の私の頭の中は仕事のことで一杯。

おそらく顔にもそんな気持ちが現れていたんでしょうね。

程よく時間がたったころ「さあ、もう終わって寝ようか」と声をかけると、「何を怒ってるの?」と母上に言われてしまった。

久しぶりにまともな言葉で質問を返された。

かなりショックを受けたけど、「なぁ~んも怒ってへんで;」となだめながら、いや、自分をなだめていた。

普段チンプンカンプンなこと言ってるけど、なにげに人の気持ちを察する母上の敏感さに驚いてしまった。

心が子供に回帰しているだけに人の感情に敏感なのだと思う。

やっぱり笑顔が大事。

そんな母に翻弄されつつ今日も無事就寝していただきました。

おやすみなさい。

ふぅ…。

あっ、入れ歯外すの忘れてた!?

 

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